参考空重量
※水の入っていない水槽のみの重さ
- 1200×600×550 ≒45kg
- 1200×600×600 ≒60kg
- 1500×600×600 ≒70kg
- 1500×750×600 ≒80kg
- 1800×900×600 ≒95kg
- 2000×900×600 ≒110kg
- 2750×1300×800 ≒210kg
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※水の入っていない水槽のみの重さ
※濾過槽はその水槽に対して標準的なものとする。
アロワナ飼育における水量とろ過能力、さらに水換え水量について、多大な誤解が普及していることを、アクリル水槽の製造・販売の前線にいる立場の者として憂慮している。科学的な事実を告知し、より良い龍魚飼育について啓蒙させていただきたい。
一般的に、龍魚マニア、あるいはプロショップの一部に、次のような大きな誤解が流布している。
●大型水槽(800㍑以上)をオーバーフローシステムで運営すれば、換水はあまり必要とならなくなる。
●大型水槽ならば、多数(5~10匹)の龍魚の混泳が容易に可能になる。
以上の2点に大きく集約される。どちらも大いなる誤解、不正解である。その結果、定期的かつ頻繁に各地でアロワナが死亡する事故が起きている。
大型アクリル水槽を専門に製造・販売する当社は、最新のデータを収集できる立場にある。近年よく収集される事例のいちばん典型的なものは、換水をしばらくしないで飼育を続けて、あまり問題も生じないので、そのまま換水をしないでおいたら、ある日突然龍魚の呼吸が荒くなり、あわてて換水をしたものの、状態は悪化を続け、2~3日後に死亡に至るというものである。幅1800~2000㍉、水量800~1400㍑クラスの水槽に5匹以上の龍魚の成魚を混泳させているケースにおいて、先述の事故が散見されている。この場合の問題点はオーバーフローシステムで龍魚飼育を続けることではなく、オーバーフローシステムが換水の手間を省くシステムだと間違えて理解して、換水を怠ってしまうことが問題なのだ。
当社では大型アクリル水槽におけるオーバーフロセットを全国的に販売しているが「オーバーフローシステムにすれば換水はあまり必要ないですよね?」というワンパターンの誤った質問をよく受ける。これらのろ過と換水の相関性に関する誤解は、60㌢以上にもなるアジアアロワナが800~2000㍑クラスの水量による閉鎖循環システムに充分適応しているという科学的データを伴わない、情緒的な考えに支配されていることから生じると思われる。
これらを是正するために、以下に具体的、現実的数値による説明を述べる。例を挙げて説明したい。
①450×300×300㍉の家庭用標準サイズの中ではやや小さな水槽でネオンテトラを10匹くらい飼育する。ということはよくある話である。
②1800×750×600㍉のアクリル水槽はアジアアロワナ飼育には小さいながら適したサイズと考えられ、当社では売れ筋サイズのひとつである。ここで、このサイズが、アロワナ、しかもその混泳にとっても大きな水槽だと思い込んで、アロワナ5~6匹の混泳を目指す。ということもよくある話である。
では、①と②ではどちらが魚にとって負担が大きいだろうか?言い換えれば、どちらが魚にとってつらい環境だろうか?一般的には①も②も同じように魚体のサイズにある程度適合した飼育環境と思われているのだろう。それゆえ、これらの水槽が普及しているのだ。ここで結論。①より②の方が断然、飼育において無理、困難が多い。なぜなら、魚体の排出する有害なアンモニアは、基本的には魚体重に比例するからだ。2㌢のネオンテトラと60㌢のアジアアロワナで、どれくらいの魚体重の差があるのか。具体的に考えてみるべきである。
魚体重は、体型の差を除外するとおおまかに体長の3乗で比較できる。つまり、
2の3乗:60の3乗=8:216000=1:27000
27000倍も魚体重が違うのである。わかりやすくいえば、60㌢のアロワナは2㌢のネオンテトラの27000倍も水を汚すのである。これに対して、450×300×300㍉の水槽の容量は、40.5㍑:810㍑となる。40.5:810=1:20である。水槽の容量では20倍の差でしかないのである。つまり、アジアアロワナはネオンテトラの27000倍もアンモニアを排出し、水を汚すのに、そのよりどころの水槽の容量はたったの20倍でしかないのである。
以上の冷酷な事実を考慮して、アジアアロワナの長期的かつ健全な育成を目指してもらいたい。具体的には奥行き750㍉以上のアクリル水槽でオーバーフローシステムを取り入れることが必要条件であるだけではなく、常時、恒久的な排水システムをオーバーフローシステムに組み込むことが、十分条件であると、当社およびその代表である私は考える。
なぜ換水が必要なのか
オーバーフローによるろ過が機能しているのに、なぜ定期的な換水が必要なのか理解ができないステージにある方がかなり存在する。それらの方々には逆説的な説明が有効であろう。つまり、ろ過が大規模になればなるほど、ろ過が順調に機能すればするほど硝化作用が進み、有害なアンモニアから変化した比較的無害な硝酸塩が水槽に蓄積していくのである。そして、硝酸塩の一定以上の蓄積は、生体の維持や成長を阻害するので、換水による硝酸塩の低減が必要となるのだ。「ろ過が順調なほど、定期的な換水、あるいは常時親水注入が必要になる」のである。
月刊アクアライフ2013年増刊号 アロワナライブvol.1より転載しました。執筆・当社・渡邊。他社の転載を禁ずる。
水槽サイズとその価格について、購入の際にユーザーは以下の点をよく考慮する必要があります。
①水槽サイズと水量は比例する。
②水槽サイズとその価格は全く比例しない。ただし、反比例ではない(ここが重要)。
上記について、わかり易く説明しよう。
一般に商品は、目的とする質が同じなら、その量と価格は比例することが多い。例えば10kgのセメントが1000円なら20㎏のそれは2000円というように。※もちろん量に応じて価格が下るということはある。まとめ買いのように。ところが、水槽はそのサイズと、その収容水量が全くとその価格に対して比例も反比例もしない。
例を示そう。
1800×900×600(高さ)・・・・・A
1800×450×600(高さ)・・・・・B
AとBでは水量は ≒900Lと ≒450Lで2倍の差がある。ところが、価格はわずか1~2割しか変わらない。なぜなら、製作コストがAとBではほんのわずかしか変わらないからだ。それはAとBに使用されるアクリル板の量と接着作業の量がほとんど変わらないからだ。
次の図を見てもらえればわかり易いだろう。
Aの場合
Bの場合
以上のように、使用されるアクリル板の量はほとんど変わらない。また接着の作業量もあまり変わらない。それゆえ、AとBの価格は1~2割の差しかない。対して、収容水量は2倍も違うのである。奥行きの狭い水槽が割高で、奥行きの広い水槽がいかに有効であるか、大型魚マニアの水槽選定に、必ず頭に入れておいていただきたい。
※文責、関東建鉄株式会社・渡邊。
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